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2026.09.22
「話がかみ合わない」から見えてきた、本当の相続問題
先日、知人のご両親の相続相談に伺いました。
「両親と今後の相続について話し合っても、毎回どうも話がかみ合わない。専門家から正しいアドバイスをしてほしい」
それが相談のきっかけでした。
私の相続相談では、1回目にご家族の状況を詳しく伺い、情報を整理したうえで、2回目に今後の対策をまとめた資料をご説明します。
そのことは事前にお伝えしていたのですが、82歳のお父様へのヒアリングが始まると、質問と答えがなかなかかみ合いません。何度も同じ話に戻ってしまいます。
「もしかすると、認知機能の低下が始まっているのでは?」
そう感じながら面談を終えようとすると、お父様から、
「え? 今ので遺言書はできたの?」
「何をしに来たの?」
という言葉が返ってきました。
どうやら私は、その日に遺言書を作りに来る人だと思われていたようです。
相続対策は、判断能力が十分にあるうちでなければ進められないことがあります。次回の提案は、認知機能の低下も視野に入れた“スピード勝負”になりそうです。
別の日には、開業医のご家庭の相談に伺いました。
当初、相談者である三女さんは「うちの相続は大丈夫」と話していました。ところが、家族や財産について一つずつ質問していくと、
「あっ、そういえば……」
「実は……」
「うちの家庭、やばいことになりますね」
と、次々に問題が見えてきました。
ご両親の相続をきっかけに、長女と次女は絶縁状態。三女さんが板挟みになっていました。
2回目の対策書の報告には、長女さんにも同席していただきました。最初は警戒心が強く、次女への不満を口にされていましたが、私が何気なく、
「小さい頃は、この庭で三姉妹仲良く遊んでいたんですよね」
とお伝えすると、突然、涙を流されました。
「姉妹が絶縁したと知ったら、亡くなった母はどれほど悲しむか。私も本当は妹のことが心配なんです」
相続の問題に見えても、その奥にあるのは、家族への想いや、長い年月の中で積み重なった感情です。
また、アメリカ人のご主人と日本人の奥様のご相談では、日本だけでなく、アメリカにも財産があることが途中で分かりました。現地の財産管理人や海外案件に詳しい税理士と連携し、財産を洗い直した結果、相続税の試算は約1億円。ご主人の表情が一変しました。
認知機能、家族関係、海外財産。
相談者が最初に話される内容だけでは、本当の問題が見えないことがあります。
だからこそ、まずは丁寧に話を聞き、情報を整理し、そのご家族に必要な専門家とつなぐ。すぐに答えを出すのではなく、見えていなかった問題を一緒に見つけることが、相続コンサルタントの大切な役割だと感じています。
この記事を書いた人:佐藤公重
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