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2023.09.15
もしもの前の10年をどこで過ごすか?
親の相続が発生する前に起こることがあります。
それは、親の老後と介護です。
もちろんそれ(老後と介護)が起こらない場合もあります。
例えば
若くして亡くなったり
元気なのに、事故や急な病でお亡くなりになることもあります。
厚生労働省が公表している
健康寿命と平均寿命のグラフを見れば
亡くなるまでに多くの方が
健康でない状態(ケガ、病気、認知症、その他)が
10年前後あることが分かります。
その10年をどこで過ごすかというのは
高齢の親にとって、人生で最後の最大の問題です。
もちろん子供であるあなたにとっても
避けては通れない大きな問題です。
私の同居している母は今年93歳になります。
足腰はかなり弱っていますが、家の中では何とか一人で歩くことができています。
もちろん、歩行機を使って、ヨチヨチとゆっくりの移動しかできません。
その母は言います。
「寝たきりになったら、一人でトイレに行けなくなったら、施設に入りたい」
でも、本音は違う所にあります。
私や、私の妻に迷惑をかけたくない
無様な自分の姿を見られたくないというのが本心なのです。
そりゃぁ、そうですよね。
長年住み慣れた所がいいに決まっていますよね。
私が相続対策のサポートをしている○○家のお母さんは80歳ですでに認知症です。
トイレも自分で行けるし、食事も自分でできますが
一日中家の中で、ただ横になっているか、ぼ〜っとされています。
話しかけると返事はできますが
どんな質問に対しても返ってくる言葉は
「ふん」、または簡単な単語だけ。
施設に入りたいかを聞くと、「ふん」。
このままずっと家に居たいかを聞くと、「ふん」。
2人のお子様はおっしゃいます。
母は、ずっと家に居たいと思っているはず。
だから、将来自分たちの負担が大きくなってお世話ができなくなったら
その時に、介護付き老人ホームを考えるかもしれないが、
今は自宅で面倒をみたい。
そのもしもに備えて
介護付き老人ホームの「入居一時金」の知識だけ知っておきましょう。
入居する時に、まとまった金額数十万円から数百万円を支払います。
中にはゼロ円の施設もあるし
数千万円の施設もあります。
これは何かというと
一定期間の家賃の前払いだと思ってもらえればいいです。
だから
毎月の月払い費用が少なくすみます。
少ないといっても現実的には
水道光熱費や食費や管理費などで10万円〜25万円くらいはかかります(一般的に)。
ゼロ円の施設の場合には
毎月の月払いとして、上記の金額に家賃がプラスして上乗せされます。
一定期間とは
平均的に施設に入居してから亡くなるまでの期間です。
施設によって、設定している期間は違いますが
大体、5年から7年くらいでしょうか。
たとえば5年として
最初に500万円の入居一時金を支払ったとします。
もし入所後に1年で亡くなったとしたら
最初のお金はゼロ円の施設を選んでおけば良かったと思うかもしれません。
その場合には残り4年分の費用が戻ってくる「入居一時金変換精度」があります。
なので、その点における損得というのは、
余り大きな問題ではありません。
もしも5年以上その施設でお世話になり続ければ
入居一時金を支払う施設の方が、総支払額は少なくなります。
入居一時金がゼロ円の施設の方が、総支払額は多くなります。
現実にはいつお亡くなりになるかなんて、誰にもわからないし
少しでも長生きしてほしいはずです。
上記で例に出した金額などは一般的な例なので
全国全ての施設に当てはまるものではないことはご承知くださいね。
親の老後と介護に悩んだらまず担当のケアマネージャーさんに相談します。
それでなんとなく納得がいかなければ
相続のことも含めて相談できる相続コンサルタントに相談してください。
この記事を書いた人
たつみ相続相談オフィス/辰巳博