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2023.06.23

海外移住は相続対策とセットで考える

あなたは何人の兄弟姉妹がいらっしゃいますか?

それぞれ歩む道が違うので

兄弟みんなが実家の近くに住んでいる

という方ばかりではありません。

 

一部上場の企業に勤めている方ほど首都圏に住まわれていたり

転勤で数年おきに色々な都市に住まわれていたり

家族全員が一堂に揃うことも少なくなっているかもしれません。

 

私の娘の夫も

現在、上海に単身赴任中です。

 

今ではこのように

海外赴任も珍しいことではなく

中には、海外の方が住みやすいからと

そのまま家族一緒に移住されている方もいらっしゃいます。

 

そんな時にご両親の不幸があり

相続が発生したらどうなるでしょう?

考えたこともないかもしれません。

 

どうしても遺言書を書かない頑固なお父さん

遺言書がない場合の手順は、通常であれば次のような流れになります。

 

①遺産分割協議

(相続人が集まって、財産の分け方を決める)

②遺産分割協議書を作成する。

(分け方を文書にする)

③住所、氏名、実印

(署名は手書き)

 

問題はここです。

住所、氏名は、本人の手書きが必要なのに

本人は海外にいて、書くことができない。

じゃぁ、どうするの?

 

作成した「遺産分割協議書」を郵送で送って

署名して、返却してもらいます。

実印がない場合には、本人のサインを実印代わりにすることもできます。

その国の大使館へ行って

「サイン証明」を発行してもらいます。

これで日本の印鑑証明の代わりになります。

 

日本の住民票の代わりになる「在留証明」が必要になるときもあります。

 

そもそもその前に

この遺産分割協議書の内容に

海外赴任している本人は

納得しているでしょうか。

 

手続きそのものは

面倒ですが、時間と手間をかければできるでしょう。

 

一番の問題は

財産の分け方の内容が

兄弟姉妹全員が納得のいくものなのか、という点です。

 

弟は海外に住んでいるから

日本の不動産はいらないと思うから

あいつには、預金で財産分けしたらいいだろう。

なんて想像しているのは、あなただけかもしれません。

 

弟は、いつか日本に帰国したら

両親と過ごした実家に戻りたい。

できれば、相続したいと思っているかもしれません、よね。

 

今、何をしておいたらいいのか。

今度、帰国したら何を相談しておくのか。

頑固な父が遺言書を書いておけば、全て丸く収まるのか。

 

これね

じっくりと考えておく必要がありそうですね。

まとまらない時は・・・

この記事を書いた人

たつみ相続相談オフィス/辰巳博

 

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