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2024.05.23

未だ口座凍結の恐怖を知らず!

 

認知症にも症状はいくつかあります。

今話していたことをすぐに忘れたり、家族でさえ赤の他人のように接しられたりすることもあります。

中には性格が変わったように暴言や暴力、昼夜逆転、夜中に徘徊など様々です。

これらの症状はある日突然に起こるわけではなく、前兆があり日頃一緒に居る中で気づくこともあります。

そんな時はすぐに地域包括センターなどに相談をして、一人で悩みを抱え込まないことが大切です。

そういった介護に必要なのは家族での連携と話し合いですが、介護にはお金もかかります。

さぁ、その介護費用を誰が負担するのか?

親本人の介護なので、親本人の預貯金から負担したいところですよね。

さて、親が認知症になってしまい判断能力がなくなると出来ないことがたくさんあります。

先ほどの例のような日常のことに次いで大変なことは、親の財産管理が出来なくなることです。

相続コンサルタントの立場からいつも口を酸っぱくして言っていることの一つ、

銀行に認知症になったことが知れると銀行口座が凍結されてしまい、家族でもお金を引き出せなくなります。

「介護が始まるとお金がかかるので、元気な内に対策をしましょうね。」

そこであなたはすぐに行動します。

母はすでに認知症と診断されて要介護3の状態。

でもそのことを銀行はまだ知らないはず。

それに、1日中わけが分からないわけではなくしっかりと受け答えできる時もある。

今のうちに母の定期預金を解約しに行こう。

あなたは母を連れて銀行に行きます。

窓口へ母を連れて行くのは心配なので待合の椅子に待っていてもらい

私が窓口へ行って手続きをしよう。

私は血のつながった長女だし、母は足が悪いとかなんとか言ったら、解約をしてくれるだろう。

解約してその金を引き出すと言うと、あれこれ質問されても困るので、ひとまず普通預金口座に移動してもらうように言ってみよう。

普通口座なら、いざという時にキャッシュカードとパスワードで、私がお金を引き出すことができる。

そう考えたあなたは、窓口で担当の方に

「母の定期預金を、普通口座に移してほしいんです。」

と伝えました。

銀行員の女性はカウンター越しに母の方を見ている。

そして立ち上がり、待合にいる母のそばまで来て話しかけている。

そして私に

「申し訳ございません。お母様のお口座は凍結させてもらうことになります。」

銀行によって対応はまちまちです。

自分の名前の署名、現住所を口頭で言える、今日が何月何日かを言える、などなど。

顧客の判断能力を審査する基準は銀行によりさまざまですが、後で困ることのないように、元気な内に対策をしましょうね。

※この話は実例に基づいています。

この記事を書いた人
たつみ相続相談オフィス/辰巳博

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