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2025.10.13

人生会議と繋ぐノート

だいぶ以前の話になるので皆さんはすでに忘れておられるかと思います。

2019年11月に1枚のポスターが注目され、炎上しました。吉本新喜劇の小籔さんが、末期の患者姿でポスターになった、あれです。

 ↓ ↓ ↓ ↓

https://drive.google.com/file/d/1E0QjvHc3UwVoD3KkQIfSMFsKnSjvJQgS/view?usp=sharing

このポスターを見て「がん患者団体」から厚生労働省に猛烈な抗議がありました。それは、このポスターの写真や内容が患者や遺族を傷つけるものだというご意見です。

さらにこのポスター制作費が4,000万円と高額なこともあって、一般の方々からも注目を浴びたニュースになりました。

このポスターで何を伝えたかったんでしょうか?

こんな姿(末期症状で自分の想いを家族に伝えられない状態)になる前に、元気なうちに家族で人生のことや相続などについて話し合いましょうね、という意図を持って伝えようとされたんです。

その話し合いを「人生会議」といいます。

人生会議とは、アドバンス・ケア・ プランニング(Advance Care Planning)の愛称です。

「アドバンス・ケア・プランニング」とは、もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことです。

この「アドバンス・ケア・プランニング」が、何がどうなって「人生会議」という愛称になったのか?どこの誰がどういう話し合いの中で「人生会議」という言葉が最適だと決められたのかは分かりません。

厚生労働省が大学や医療関係から選定された方々で、この「人生会議」という愛称を選ぶ検討会が開かれたようです。

もちろん愛称を決めるための検討会ではありません。どのような流れで最終医療に望むのかというプロセスなども決められています。

大切なことです。

ただ、「人生会議」という愛称が、自分の終末期医療やケアのプランニングをして、家族に伝えるというイメージに結びつかないのは私だけかもしれません。

このポスターの炎上の後、何年も経った今、終末期のことを考える人生会議がいまだに広まらないことは残念でなりません。

そもそも、終末期医療を考えるったって、今まで考えてもいなかった方にとっては、何から考えたらいいのか?ちんぷんかんぷんですよね。

まず最初に考えること、それはあなたが大切にしたい価値観を知ることです。

・医療に関する価値観

・人生の終末期に対する価値観

二番目に、治療に対する希望です。

・認知症になった時や、延命処置についての希望です。

三番目に、あなたの価値観や希望を理解してくれている人を決めるということです。

これが、厚生労働省が言っている「人生会議」です。

この人生会議を考える手助けになるものの一つが「エンディングノート」かもしれません。

ですが、これもなかなか浸透しているとは言えません。なぜなら書く箇所がたくさんあり、一人では書き切るのが難しいからです。

そこでできたのが「繋ぐノート」です。緊急連絡先~お薬などの情報や延命治療の希望などについて、最低限必要な情報を1冊にまとめたコンパクトな冊子です。

「人生会議」の手助けにこのノートを一度手に取ってみてください。ノートに関するご相談は私までご連絡ください。

この記事を書いた人

たつみ相続相談オフィス/たつみひろし

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