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2025.08.11
今の日本、一人になって困ることってあるの?
あなたは現在、82歳の男性です。
すでに平均寿命を超え、足腰に少し不安を感じています。
でもさいわい、認知症の兆候はありません(多分)。
昨年、年上の奥様がお亡くなりになりました。
子どもはいないため一人で生活しています。
食事は宅配サービスがあり、部屋の掃除もヘルパーさんが週に2回来てくれているので格段の不便は感じません。
ただ、食事の時に食べこぼしが増えました。
食事の準備も毎日決まったルーティンでできていたのに、時々次何をするんだったっけと止まることがあります。
2階への階段を登ると、軽く息切れがします。
わかるんです、年々、自分の体が弱っていくのが。
①財産管理委任契約
身体の不調(病気やケガなど)が原因で自由に外出できなくなった場合に、あなたに代わって、事前に契約をした代理人が銀行へ行って年金を引き出したりしてくれます。
突発的な交通事故などで入院を余儀なくされたりした時も、誰か信頼のできる人が、病院の支払いの代行などしてくれたらどれほど気が楽か。
②任意後見制度
今が大丈夫と思っていても、自分でも気付かないうちに判断能力が落ちてしまうことがあります。そんな時に備えて、あなたに代わって財産管理や身上監護をしてくれる人を決めておきます。
身上監護とは、あなたの生活・医療・介護などの法律的な契約をしてもらいます。
この①と②はセットだと思ってください。
身体が不自由になれば財産管理委任契約があります。
その状態で認知症などになれば任意後見制度に移ります。
そしていつかあなたにお迎えが来た後の精算として必要になるのが
③死後事務委任契約
葬儀・死後の行政手続き・医療費の支払い・遺品の処理など多岐にわたる各種処理をしてくれる人に依頼しておきます。
誰にでも生きる自由があるように、周りの他人にも自由はあるわけです。自分が死んだ後に、自分の死後の後片付けで他人の自由を奪う権利はあなたにはありません。
今がお一人なら尚更、自分の死後のこともきっちりとしておくべきです。
④遺言書
相続人がいなければあなたの財産はお国のものになります。
もちろんお国のために使って欲しいという気持ちがあればそれでも構いません。ただ、国庫に入ってしまったあなたのお金は、他のお金とごちゃ混ぜになり何に使われたのかわかりません。
自分が生前にせっせと蓄えたお金なので、できればあなたの死後もあなたの思うように使ってほしい。
もしもお世話になった人や信頼している団体などへの寄付を考えておられたら遺言書の作成は必須です。
いつまでも元気でいられるというのはあなたの幻想です。
やること(①~④)やっておくと良いことがあるんです。
もしものことがあっても大丈夫と思うことで、今からの人生に対しての不安の一つがなくなります。
そのことで、これからの人生を心置きなく生き切れる、スッキリとします。
この記事を書いた人
たつみ相続相談オフィス/辰巳博