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2024.09.16

父の相続財産は平等に分けたい。「何言ってんの!私一人に介護を押し付けといて」。財産分けの正解はどこに?

 

相続財産ってどのように分けるのが正解かご存知ですか?

家督相続という言葉を聞かれたことはありますか?

簡単に言うと、「財産・権利は長男に全て相続する」というものです。

父親が亡くなり、母親が健在で子供たちが何人いようと関係はありません。

財産を全て相続する代わりに、お墓の守りや他の家族の面倒も見てあげてねという制度です。

「わしは隠居するから息子よ、あとは頼んだぞ。」

なんてドラマの一節を聞かれたこともあるかもしれませんが、まだ存命であっても家督(相続財産)を引き継ぐことも認められていたんですね。

長男がぼんくらで、家督を継いで財産を食いつぶしてしまったり、家督欲しさに長男を亡きものにして、次男が家督を継承するというようなドラマも生まれてくるわけですね。

ここまで分かりやすいようにシンプルに書いてきましたが、当然例外的なことはたくさんあります。

戦争(第二次大戦)も終わり民法も新しくなり、家督相続は平等の精神に反する、とかなんとかで法定相続に変わりました。

法定相続とは

子供たちはみんな平等だから均等に分けましょう。

でも奥さん(配偶者)だけは、特別なので多い目(相続財産の半分)あげますね、という制度です。

もちろん家族関係は様々(子供は先に亡くなって孫がいたり、離婚・再婚していたり、不倫の子がいたり)なので条件により変わります。

法律で決めたら不満なく問題も少ないだろう、という制度です。

法定相続は公平で、本当にもめ事は起こらないんでしょうか?

もめて家庭裁判所になんとかしてくれ、といって持ち込まれた揉め事の件数は1日あたり63件です。(令和5年度、開所日250日とすると)

調停件数は年間では、15,750件。

調停ではまとまらずに審判でまとまったのが、2,316件。 (令和5年度司法統計年報より)

平等と公平の違いはご存じでしょうか?

親の介護をするために仕事も辞めて、結婚もしなかった長女と、実家に顔も出さずに親が死んでから「私にも財産をもらう権利がある」と、のこのこと久しぶりに顔を出した長男と、法定相続通りに分けるのが正解でしょうか?

子としては平等かもしれませんが、公平と割り切れるでしょうか?

財産の分け方に正解を探すのではなく、関係者全員が納得のできる分け方ができればいいですね。

そんな、お手伝いもしています。

この記事を書いた人
辰巳博
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